設計・改修の概要
当事務所では、住宅・共同住宅の新築設計に加え、既存建物の改修・補強設計を重視しています。特に、築年数の経過した木造建築や RC(鉄筋コンクリート)造建物について、現況調査 → 診断 → 補強/改修設計 → 施工監理まで一貫して対応できる体制を持っています。設計案を提示する際には、構造耐力、耐久性、仕上げ材・納まりなどの現場性を考慮しつつ、暮らしへの使いやすさにも配慮した提案を行います。
RC 建物の耐震補強・改修設計
多くの RC 造建物(特に昭和期に建てられたもの)は、現行の耐震基準を満たしていないことが少なくありません。こうした建物に対しては、まず正確な 現況把握(劣化状態、鉄筋の腐食、ひび割れ、補修履歴など) を行います。図面が現存しない場合は、現地測定や調査を通じて構造寸法や補強履歴を洗い出します。
その後、耐震診断(一次診断・二次診断)を実施し、各層の耐力や地震時の応答性を評価します。結果を踏まえ、補強案を策定します。補強手法としては、壁の増設、ブレース設置、コンクリート補強、鉄筋の増設、断面補強などが挙げられます。これらの補強案は、既存構造との整合性、コスト性、耐久性をバランスよく設計図書化します。
また、補強後のチェックとして、変形量、応力分布、耐震性能の定量評価を行い、補強設計案の妥当性を検証します。
木造建築・古民家再生・改修設計
木造建築・古民家再生には、現代住宅とは異なる構法や細部のディテールに配慮が必要です。伝統構法の梁・柱・仕口・継ぎ手の扱い、既存材の耐久性、木材の劣化評価などを考慮しながら、可能な限り既存木材を活かす改修設計を行うことを得意としています。
古民家改修に際しては、耐震補強を含めた構造補強設計、断熱・気密の向上、設備の更新、間取りの再構成などを組み合わせた提案を行います。既存の雰囲気を損なわないよう意匠配慮を行いつつ、安全性を確保する設計を行います。
また、リノベーション事例としては、RC構造物の用途変更・内部改修、集合住宅や空き家の再活用設計なども手掛けています。
耐震リフォーム・既存住宅改修
戸建て住宅や集合住宅の耐震リフォームにも対応します。まずは耐震診断を実施し、補助金制度の適用可否も検討可能です。耐震補強計画では、壁量調整、耐力壁の配置変更、構造補強材の挿入、剛性補強、接合部補強などを含む設計を行います。これにより、住まいの安全性を向上させながら、既存の構造を最大限利用することを目指します。
また、耐震補強と合わせて内装改修・意匠リフォーム・設備更新を含めた統合的な改修設計も可能です。これにより、耐震機能と快適性の両立を図ります。実績としては、戸建て耐震改修、デザインリフォーム、空き家再生、古民家耐震化などを扱っています。
サービス体系と設計プロセス概要
以下は、典型的な業務プロセスです。
- 現地調査・資料収集
既存図面・劣化状況・補修履歴の確認、現場計測・写真撮影 - 診断・分析
耐震診断、構造安全性評価、劣化診断など - 設計・補強案の検討
意匠・構造両面から複数案を策定、コストや施工性を踏まえた最適化 - 設計図書作成
補強・改修仕様書、納まり図・詳細図、構造計算書 - 確認申請・手続き支援
行政申請・補助金申請・法令チェック - 施工監理
工事の進捗確認、設計意図の現場反映、調整対応 - 完了・アフター検査
補強効果確認、引き渡し、残工事項対応